シンデレラの魔法は解けない
「盗み聞きしてしまって、ごめんなさい」
平さんと連れの視線を痛いほど感じる。
だけど、逃げてはいけない。
林さんの言うように、真正面からぶつからないと。
それで駄目なら、諦めがつく。
「平さん……好きな人がいるんですね」
やばい、心臓が止まりそうだ。
「でもあたし、諦めませんから!」
そうだ、その調子。
頑張れ、あたし。
「彼女が無理なら、せっ……セフレでもいいですから!」