シンデレラの魔法は解けない
「いいんですか?」
だって……
平さんの家に居るってことは……
平さんの仕事の邪魔になるのはもちろんのこと、夜だって一緒だ。
もし、万が一そんなことが起きてしまったら……
想像するだけで、体が熱く疼く。
そんなピンクのあたしを見て、平さんはふっと笑った。
それで慌てて、邪な妄想をかき消した。
「もちろんいいよ。
だって藍ちゃんは、俺の彼女でしょ?」
そう言って、平さんはあたしに手を差し出す。
その大きな手をぎゅっと握り、身を寄せた。
嘘みたい。
こんなに大好きな平さんの家に、居られるなんて!
あたしはすごく、幸せだ。