シンデレラの魔法は解けない
そして土曜日。
今日は午後から平さんとデートの予定だ。
午前中は仕事の平さん。
仕事後に迎えに来てくれて、ランチを食べて、そしてライブに行く予定だった。
デートにはどんな服を着ていこう。
平さんは服装なんて気にしなくてもいいって言うけど、やっぱり気になってしまう。
平さんがすごくお洒落でセンスがいいから。
自宅から持ってきた服を何着も着て、そして脱いで。
そんなことを繰り返しているうちに、昼になってしまった。
いまいちキマらないシャツを着て思った。
ここはやっぱり、平さんの力を借りるべきか。
平さんなら一瞬であたしをお姫様にしてくれる。
そんな甘い幻想を抱いている時だった。