シンデレラの魔法は解けない
家の扉が開き、大好きな平さんが現れる。
今日も相変わらず素敵な服装だ。
そんな平さんの前ではあたしの服装なんて、とてもお洒落だなんて思えなくて。
「平さん、この服変ですよね」
真っ赤な顔でそう聞くあたしに、
「ううん、藍ちゃんは可愛いよ」
平さんはまたまた甘い言葉を吐く。
そういうのがいけないんだ。
そんな思わせぶりな態度を取るから、ますます平さんから離れられなくなってしまうんだ。