シンデレラの魔法は解けない
そんなあたしの気持ちを平さんも分かってくれて、
「じゃあ、小物を追加してみる?」
存在感のあるネックレスや帽子、バッグを貸してくれる。
それらを身につけるだけで、途端にあたしは垢抜けてしまって。
やっぱり平さんの力はすごいんだと再確認する。
まるで、魔法使いのようにあたしを変身させてくれるのだ。
「さぁ、藍ちゃん、行くよ」
不意に手を握られて、胸がきゅんきゅん甘い音を立てる。
平さんに握られた手が発火しそうだ。
甘い香水の香りと平さんの香りにやられて、倒れてしまいそう。
あたしは今日も、王子様に翻弄される。