シンデレラの魔法は解けない
「藍ちゃんが原のことを気にしているのかなって、俺は思っていた」
さっきまでのヤンキー語が嘘のように、平さんは優しくあたしに話をする。
そして、あたしの胸がきゅんきゅんうるさい。
「俺は原の仕事の手伝いをしているだけで、気持ちは全くないんだよ」
甘く切なく告げる平さんに、
「ひどいよね、慶太って」
面白そうに原あかりは言う。
「俺と原は高校時代の同級生で、原は元ヤン。
そんな怖い女と、俺は付き合いたくない」
「どの口が言うの、バーカ」