シンデレラの魔法は解けない
林さんはそんなあたしを見て、にやりと笑った。
その笑いで、林さんの言いたいことなんて分かってしまった。
あたしは、真っ赤な顔で林さんに告げる。
「……好きじゃないです。
ただ、かっこよくて優しくて、性格もいい男性がいるんだなと思って」
まさしくその通りなのだ。
昨日会った平さんは、非の打ち所がない素敵な男性だった。
平さんと比べれば、武雄のアラなんてぼろぼろと出てくるほどに。