シンデレラの魔法は解けない
王子様と最終決戦
「藍、すごくウザいんだけど」
呆れ顔の林さんに、満面の笑みであたしは報告する。
「平さんがあたしを好きだなんて、夢みたいです」
「ハイハイ」
林さんは相変わらず酷い。
嫌な顔のまま、あたしを手で追い払おうとする。
だけど、林さんは確信を突く。
「あんたが惚気てるのはいいけど、ストーカーの件はどうするの?」
思わず口を噤んでしまう。
「それにさ……
そのストーカーがあんたの彼氏の部屋を荒らしたってのは考えられない訳?」
あるかもしれない。
無いとは言い切れない。
「だけど、一体誰が……」
「それが分かったら、警察いらないよ」
林さんはため息混じりで吐き出した。