シンデレラの魔法は解けない
シンデレラと王子様は永遠に
そして、数ヶ月後……
「藍ちゃん、何してるの?
はやく行くよ?」
出かける気満々の平さんに、
「ちょっと待ってください!」
あたしは告げ、鏡の前に立っていた。
右手にはワンピース、左手にはブラウスとスカート。
「どっちがいいと思いますか?」
そう聞くあたしに、平さんは言う。
「藍ちゃんはどっちでも可愛いよ」
そんなのずるい。
そう言って、いちいちあたしをキュンキュンさせるのだから。
そして、平さんはばっちり決めてかっこいいのだから。