シンデレラの魔法は解けない







美味しいディナーに、素敵な夜景。

おまけに、極上の王子様。




机の上のキャンドルの灯りが、暗い部屋をぼーっと照らしていた。

そんなロマンチックな灯りに照らされて……





「藍ちゃん、今日も楽しかったね」




平さんが静かに言う。

その甘くて落ち着いた声に、いちいち胸がきゅんと音を立てる。




「藍ちゃんとこうやってデート出来て、俺は幸せだよ」




何言ってるの。

あたしだってすごく幸せ。




「これからも、ずっと藍ちゃんといられたらいいな」




こくりと頷くあたしは、キャンドルに照らされる平さんから目が離せない。

優しげで、穏やかで、そしてどこか色気すらある平さん。

あたしにはもったいないほどのいい男の平さんは、甘くて真剣な瞳であたしを見つめている。


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