シンデレラの魔法は解けない






「ねぇ、藍ちゃん……」




宝石のように輝く夜景を背景に、平さんはあたしに告げる。





「結婚しよう。

俺とずっと一緒にいてよ」





そう言って渡された、紅い薔薇の花束を両手に抱きしめて……

あたしは涙を流していた。





大好きな平さんとずっと一緒にいられることが、こんなに幸せなんて。

この世界に、こんなに幸せなことがあるなんて。





「よろしくお願いします」




涙でくしゃくしゃになった顔で、平さんを見て笑っていた。






大好きな王子様の手を、あたしは一生離さない。





ー完ー




< 271 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop