シンデレラの魔法は解けない




いつの間にか敬語ではなくなっている平さんにドキドキしながら、彼の隣を歩く。

背の高い平さんは歩幅が広いはずなのに、歩く速さをさりげなくあたしに合わせてくれる。

そんな平さんは、やっぱり女慣れしていると思わざるを得なかった。

あたしは平さんを好きになりかけていたが、それは叶わぬ恋なのだ。

あたしはただの恩人。

平さんとは土曜日までの関係。

麻友と武雄の結婚式が終われば、他人に戻るような脆い関係だ。




< 43 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop