シンデレラの魔法は解けない
王子様が守ってくれる
平さんがいた日々は、まるで夢のようだった。
魔法をかけられたかのようにキラキラ輝いていた。
平さんのおかげで、武雄と麻友の件のダメージも少なかったし、素敵な自分も発見出来た。
そして何より、平さんと一緒にいられてすごく幸せだったんだ。
スマートで紳士な平さんはあたしの扱いも上手で、やっぱり女慣れしているのだろう。
そしてあたしは、平さんの恩人以外の何者でもないのだろう。
平さんはあたしをいつもの優しい笑顔で見る。
あたしの胸はこんなに張り裂けそうなのに、平さんはいつも通りだ。
「平さん、ありがとうございました」
再び平さんに告げる。
「明日からは……」
もう会えないのですか?
勇気を振り絞って聞こうとした時だった。