シンデレラの魔法は解けない
どのくらい抱かれていたのだろう。
はっと気付いたあたしは、慌てて平さんを突き放す。
そして、ぽかーんとあたしを見る平さんに、真っ赤なまま言っていた。
「平さんのスーツが汚れちゃう!!
……ううん、このドレスも平さんのものでした!」
平さんの優しさに甘えていたが、あたしは何てことをしてしまったのだろう。
ドレスは泥で茶色く汚れ、平さんのかっこいいスーツにもそれが付着している。