シンデレラの魔法は解けない
シンデレラは知ってしまった
月曜日……
いつも通りに会社に行き、いつも通りに仕事をし、いつも通りに林さんと会話をした。
開口一番、林さんはどうだったのとあたしに聞く。
そして、あたしの話を面白そうに聞いていた。
あたしは全く面白くない。
むしろ、平さんとの関係が終わり、胸が悲鳴をあげていたのだ。
林さんは長い足を組んで椅子に座り、綺麗なネイルが輝く指を合わせる。
そして、あたしに言う。
「あんた、その男が好き好きって言うけど、気持ちも伝えずに自己完結してるじゃん」