日だまり堂へようこそ
次の日。
朝、いつものように下に降り、ご飯を食べていると母に言われた。
「雪くん、腕時計どうしたの?つけてないみたいだけど?」
雪斗は苦笑いを浮かべた。
「あぁ。壊れちゃったみたいで。昨日動かなくなったんです。それで。」
「そうなの?じゃあ直しにいかないと。」

別にいいんだけどな。

雪斗はそう思った。

正直、姉のかもしれない時計なんてつけていたくない。その時計を見る度に罪悪感で堪らなくなる。
けれど決してそれを母に言わない。言うわけがない。

雪斗は曖昧に微笑んだ。
母にはきっと雪斗が時計が壊れて困っているように見えたんだろう。
「確か、商店街になかったかしら。ねぇ、お母さん。」
祖母と話し始めた。
雪斗はこっそりと溜め息をつき、朝ご飯を食べ始めた。
雪斗がご飯を食べ終わった頃に母に言われた。
「商店街のはずれに日だまり堂って言うお店があるから、そこなら多分なおしてくれるわ。」
そして学校帰りに寄ってくるように言い含められた。
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