悪魔
この日の空は真っ青で雲一つ無くって、鬱陶しいくらい太陽が輝いてて。
「はぁ。行くか。」
なんにも変わらないいつも通りの日常がまた始まる。刺激なんてどこにも無くて、ただひとつ唯一の幸せな時間は、
ブウォオン
この車に乗ってる時くらいだ。
あぁ、今日もいい音。身体に響く重低音が心地よくて俺の気分を上げてくれる。
窓を全部開けて、風を感じながら学校へ向かう。
通りすがる車の中の人も自転車をこぐ高校生も近所のおじさんもおばさんも、この重低音に振り向く。
あー、この時だけが俺は幸せ。
なんて思いながら煙草をふかして、車を走らせること約十分で学校の駐車場に着くんだ。
「おはよ、佐倉。」
「おー!今日もいい具合にうるせーな佐倉」
皆が俺に向かって声をあげる中、俺はその声に右手だけを軽く上げていつも通りいつもの場所に駐車する。
するとすぐ隣にいつもと同じやつがやってきて、車の窓越しに挨拶を交わすんだ。
「おはよ」
「おー、さっくんおはよ!」
俺、佐倉聖太(さくら せいた)の事を、皆は佐倉って苗字で呼ぶ中、さっくんなんて可愛らしいく馴れ馴れしい呼び方をするのは、こいつだけ。
「今日もガキみてえなツラしてんな、ゆう。」
ゆうこと、松田祐也(まつだ ゆうや)。
大学に入ってから平日も休日も気づいたらいつでもこいつといる。別に気が合うわけでもないけど、基本的にサバサバしててでもよく笑うこいつといるのはなんだか楽だ。
「あー、今日もはじまるなぁ。」
ゆうのいつもと変わらない気だるそうなひと言が聞こえて、俺もいつもと変わらない返事をかえす。
「あぁ、つまんねーな。…行くか。」
なんの刺激もない毎日にいい加減うんざりしてた。
ただ、刺激を求めてた20の春。
「はぁ。行くか。」
なんにも変わらないいつも通りの日常がまた始まる。刺激なんてどこにも無くて、ただひとつ唯一の幸せな時間は、
ブウォオン
この車に乗ってる時くらいだ。
あぁ、今日もいい音。身体に響く重低音が心地よくて俺の気分を上げてくれる。
窓を全部開けて、風を感じながら学校へ向かう。
通りすがる車の中の人も自転車をこぐ高校生も近所のおじさんもおばさんも、この重低音に振り向く。
あー、この時だけが俺は幸せ。
なんて思いながら煙草をふかして、車を走らせること約十分で学校の駐車場に着くんだ。
「おはよ、佐倉。」
「おー!今日もいい具合にうるせーな佐倉」
皆が俺に向かって声をあげる中、俺はその声に右手だけを軽く上げていつも通りいつもの場所に駐車する。
するとすぐ隣にいつもと同じやつがやってきて、車の窓越しに挨拶を交わすんだ。
「おはよ」
「おー、さっくんおはよ!」
俺、佐倉聖太(さくら せいた)の事を、皆は佐倉って苗字で呼ぶ中、さっくんなんて可愛らしいく馴れ馴れしい呼び方をするのは、こいつだけ。
「今日もガキみてえなツラしてんな、ゆう。」
ゆうこと、松田祐也(まつだ ゆうや)。
大学に入ってから平日も休日も気づいたらいつでもこいつといる。別に気が合うわけでもないけど、基本的にサバサバしててでもよく笑うこいつといるのはなんだか楽だ。
「あー、今日もはじまるなぁ。」
ゆうのいつもと変わらない気だるそうなひと言が聞こえて、俺もいつもと変わらない返事をかえす。
「あぁ、つまんねーな。…行くか。」
なんの刺激もない毎日にいい加減うんざりしてた。
ただ、刺激を求めてた20の春。