私の髪(想い)をあなたに~ヘアドネーション~
田舎なので、保育園から小学校と、一緒に過ごすメンバーはほとんど変わりません。

遊ぶ時は男女関係なく一緒に遊んで、普通に仲は良かったと思います。

でも……子どもの私は、心のどこかで納得していませんでした。

このくせっ毛は、生まれつきです。私が好んでくせっ毛になった訳じゃない。

だから、その事をからかわれても、自分ではどうしようもない。

「その髪型変!」とか「その髪型似合ってない!」と言われたなら、じゃあ少し短くしてみようかな…なんて考えられたけど、くせっ毛は……

小学校高学年くらいになると、こんな髪型にしてみたい!と思うようになっても全然髪の毛は思い通りになりません。

その頃の出来事で、忘れられない事が……

私は、母と同じ近所の美容室に行っていました。

その当時の我が家では、たぶん『美容室』に連れて行ってもらえていたという事自体が、まだ恵まれていたと思います。

三才下の妹は、近所の散髪屋さんに連れていかれてましたから。

今でも好きですが、その当時大好きだったマンガ『はいか○さんが通る』。

ヒロインが長かった髪の毛をバッサリと切って、わかりやすく言えば肩くらいまでのおかっぱにするのです。

ヒロインの一途な想いと潔さに、子ども心に感動しました。

私も、ヒロインと一緒の髪型にしたい!

……そう、思ってしまったのです。うねうねくせっ毛の私が、サラサラストレートボブのヒロインの髪型を、まねしたいと、思ってしまったのです。

そんな時、タイミングよくと言うか、悪くと言うか。髪の毛を切る事になりました。

いつもの美容室に行って、美容師のおばちゃんに自分のしたい髪型を一生懸命説明します。

おばちゃんは『はいか○さん~』なんて知らないので、自分なりの言葉で説明しました。

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