悩ましきは猛進女の撃甘プロポーズ
「あぁ~、明日が楽しみだわ。あっ、絶対にお風呂に入って、HAPPYをちゃんと纏ってくるのよ!」
その意味がどうも分からないのだが、とメールの内容をもう一度確認する。
そこには、何度読んでも【ドレスコード】HAPPY、と書かれている。
幸せは目に見えないもの。
これは、裸で来い、と言っているのだろうか?
それはマズイだろう。
黒い横棒線で目を覆われた、帝全社員の顔写真が浮かぶ。
破廉恥行為で社員が全員逮捕されたら、会社がなくなり、仕事を失う!
否、それは勘弁だ! 会社のため、せめて僕だけでも生き残ろう!
――と考え、とりあえず、家にHAPPYと印字されたタオルがあったのを思い出し、それを腰に巻いて行こう、と一人画策する。
だが、当日、まさかあんなことが起こるなんて……。
パーティーもいよいよ終盤。もうそろそろお開きかな、と思っていた時だ。
背中に天使の羽を付けた女が、突然、僕の目の前に立ち塞がり言った。