悩ましきは猛進女の撃甘プロポーズ
「矢崎課長、不参加表明は許しませんよ!」
心を見抜いたように竜崎が言う。
何故毎度、君に許しを乞う必要が何故あるのか?
「大丈夫です!」
何がだ、と思っている間に、君島が携帯をぶん取り、ポチッとした。参加表明のボタンを……。
「ほらね」
こいつもメゲない奴だ。
ニッコリ微笑む奴が小悪魔に見える。
仕方がない、フォルダを五つほど送っておこう。
ーーと思っていると、「恭吾さぁん」ともう一人、メゲない奴がオフィスに駆け込んでくる。
「クリスマスです。パーティーです。エスコートして下さい」
デスクの前に女が姿勢良く立ち、「よろしくお願いします」と右手を差し出し頭を下げる。
この手を取れと?
「悪いがそれはできない」
「エッ、どうしてですか!」
「エスコートぐらいしてあげてもいいじゃない」
君島と竜崎が異議を唱える。
どうして、こいつらはこうもお節介なのだろう。
「では、私がエスコートしましょう」
更に、ややこしい奴の登場だ。
「赤城課長は引っ込んでいて下さい」
竜崎がビシッとぶった斬る。
「竜崎課長、カッコイイ! 男前!」
君島は、赤城を前にパチパチ手を叩く。
本当、こいつって怖いもの知らずだ。