このリングを君に・・・。
奈津子と、形だけでの付き合いが始まってから
不思議と告白されることが減った。
「たーくん良かったね☆」
すると奈津子も「わたしのおかげだね」と言った。
その日奈津子と一緒に帰ることになった。
「奈津子は好きなやつとかいねーの?」
「わたし?んー。いたよ」
「いた?過去形?」
「わたしね、報われない恋しかしてこなかったから」
「ふーん」
「聞きたい?笑」
「話したいなら聞くけど」
そして話始めた。
中学の頃、同じ部活の先輩と仲良くて
よく家に遊びに行ってたんだけどね。
その先輩、年の離れたお兄さんがいたの。
あの頃は、26歳だった。
髪が綺麗にセットされていて
服装もおしゃれだった。
話すことも面白くて
中学生だった、わたしからしたら
憧れだった。
ある日先輩の家に遊びに行った時
先輩が、彼氏に呼び出されたって言って
部屋で待たされた時があったの。
そしたら、お兄さんが部屋に来て
「俺の部屋で待ってなよ」って言ったの。
いろんな話をして、お兄さんとも仲良くなってったのね。
そして、いきなりキスされて押し倒されたの。
わたし初めてだったけど、この人ならいいやって思った。
それから、先輩がいなくても彼に会うために
家に行った。
好きで好きで仕方なかったの。
そうしているうちに先輩にもバレちゃったんだけど
先輩が「兄さんは、止めなよ」って言ったの。
理由を聞いても教えてくれなかったんだけどね…。
止めなよって言われても好きな気持ちを
簡単に切り替えられなくて。
デートするわけでもなく、体の関係だったけど
わたしは好きな人と一緒にいれるだけで
幸せだったし、全然良かった。
何か月か続いた頃、先輩がご飯食べにいこーと
誘ってきて、一緒に出掛けることになった。
「奈津子まだ兄さんと関係持ってる…?」
「…。ダメって分かってても、好きだから…。」
「奈津子が傷付くの嫌だから、止めなって言いつつ
理由は言わなかったけど。でも、今日は言うね。
兄さん婚約者いるんだよ。
それで……。昨日、妊娠発覚したの。
だから結婚するのも、すぐだと思う」
「え…?そんな…」
「そもそも兄さんが中学生に手出すとか、ほんと引くんだけどさ。
それ以前に、奈津子としていながら婚約者ともしてて、妊娠させて。
わたしは、奈津子が本気になってしまう前に、なんとかしなきゃって思った。でももう間に合わなかった。
本当にごめん………。」
先輩が泣きながら謝ってきたんだけど
先輩はなにも悪くないじゃない?
好きだけど、結婚してしまうし
子供だって婚約者のお腹の中にいるわけだし
わたしが好きでいたって、彼はわたしを好きではないし。
報われないなーって。
なんでこの人だったんだろう。
なんで好きになっちゃったんだろう。
なんで嫌いになれないんだろう。
いろいろ考えた。
男って平気で人を傷付けることが出来るんだな
って、そのことがあって思うようになった。
そりゃ、わたしの相手が悪かっただけで
男が皆そうって言ってるわけじゃないけど。
高校に入ってから、璃子と仲良くなって
拓篤にも会って、見てたらさ
同じ感じがした。ただの感だけど。笑
だから「彼女になろっか?」って
言ったんだよ。笑
なんかあったんだろうなって
分かる人は分かるし。
そう言い終えた奈津子は最後に
「あーすっきりしたー!」と言った。
「やっぱり誰かに聞いて欲しかったんだな」
「そうだったみたい。笑
あ、璃子には内緒だよ?言ってないんだから
」
「分かった」
「じゃあ、また明日ねー」
帰って行く奈津子の後ろ姿を見ながら
みんな、いろいろあるんだなと感じた。
不思議と告白されることが減った。
「たーくん良かったね☆」
すると奈津子も「わたしのおかげだね」と言った。
その日奈津子と一緒に帰ることになった。
「奈津子は好きなやつとかいねーの?」
「わたし?んー。いたよ」
「いた?過去形?」
「わたしね、報われない恋しかしてこなかったから」
「ふーん」
「聞きたい?笑」
「話したいなら聞くけど」
そして話始めた。
中学の頃、同じ部活の先輩と仲良くて
よく家に遊びに行ってたんだけどね。
その先輩、年の離れたお兄さんがいたの。
あの頃は、26歳だった。
髪が綺麗にセットされていて
服装もおしゃれだった。
話すことも面白くて
中学生だった、わたしからしたら
憧れだった。
ある日先輩の家に遊びに行った時
先輩が、彼氏に呼び出されたって言って
部屋で待たされた時があったの。
そしたら、お兄さんが部屋に来て
「俺の部屋で待ってなよ」って言ったの。
いろんな話をして、お兄さんとも仲良くなってったのね。
そして、いきなりキスされて押し倒されたの。
わたし初めてだったけど、この人ならいいやって思った。
それから、先輩がいなくても彼に会うために
家に行った。
好きで好きで仕方なかったの。
そうしているうちに先輩にもバレちゃったんだけど
先輩が「兄さんは、止めなよ」って言ったの。
理由を聞いても教えてくれなかったんだけどね…。
止めなよって言われても好きな気持ちを
簡単に切り替えられなくて。
デートするわけでもなく、体の関係だったけど
わたしは好きな人と一緒にいれるだけで
幸せだったし、全然良かった。
何か月か続いた頃、先輩がご飯食べにいこーと
誘ってきて、一緒に出掛けることになった。
「奈津子まだ兄さんと関係持ってる…?」
「…。ダメって分かってても、好きだから…。」
「奈津子が傷付くの嫌だから、止めなって言いつつ
理由は言わなかったけど。でも、今日は言うね。
兄さん婚約者いるんだよ。
それで……。昨日、妊娠発覚したの。
だから結婚するのも、すぐだと思う」
「え…?そんな…」
「そもそも兄さんが中学生に手出すとか、ほんと引くんだけどさ。
それ以前に、奈津子としていながら婚約者ともしてて、妊娠させて。
わたしは、奈津子が本気になってしまう前に、なんとかしなきゃって思った。でももう間に合わなかった。
本当にごめん………。」
先輩が泣きながら謝ってきたんだけど
先輩はなにも悪くないじゃない?
好きだけど、結婚してしまうし
子供だって婚約者のお腹の中にいるわけだし
わたしが好きでいたって、彼はわたしを好きではないし。
報われないなーって。
なんでこの人だったんだろう。
なんで好きになっちゃったんだろう。
なんで嫌いになれないんだろう。
いろいろ考えた。
男って平気で人を傷付けることが出来るんだな
って、そのことがあって思うようになった。
そりゃ、わたしの相手が悪かっただけで
男が皆そうって言ってるわけじゃないけど。
高校に入ってから、璃子と仲良くなって
拓篤にも会って、見てたらさ
同じ感じがした。ただの感だけど。笑
だから「彼女になろっか?」って
言ったんだよ。笑
なんかあったんだろうなって
分かる人は分かるし。
そう言い終えた奈津子は最後に
「あーすっきりしたー!」と言った。
「やっぱり誰かに聞いて欲しかったんだな」
「そうだったみたい。笑
あ、璃子には内緒だよ?言ってないんだから
」
「分かった」
「じゃあ、また明日ねー」
帰って行く奈津子の後ろ姿を見ながら
みんな、いろいろあるんだなと感じた。