きっと今夜は雨・・・
「一緒にいってくれない?」

「いいよ」

 飲んでもあまり酔えていないし、少し外を歩いたほうがいいと思った。



 外に出ると、思ったよりも涼しい風が吹いていた。

「ああ、気持ちいい」

 隣で伸びをしている。

「楽しそうじゃなかったね」

「え?」

「気づいていないとでも、思っていた?」

「・・・・」

「忘れ物を取りに行くのは、1人で大丈夫だったんだけれど、あなたがあまり楽しそうじゃなかったら、連れ出す口実だったの」

「ありがとう」

「どういたしまして。で、原因はシステム部の清水さん?」

「え?何で?」

 突然、彼の名前が出てきて驚いた。

「やっぱりそうか。実はね、あなたたちが付き合っていることを、私知っているの。会社内では仕事上で一緒になることはないから、気が付かなかったんだけれど。休みの時に一緒にいるところを何度か見たことがあってね。そうか、そうなんだって」

 別に悪いことをしているわけでもないから、知られてもかまわないんだけれど。

「そういう私も社内恋愛しているからね。清水さんと同じシステム部の人とね」

「そうなんだ」

「会社があまり社内恋愛歓迎じゃないから、公にしていないけれどね」

 知らなかった。

 身近に同じような人がいるとは。

 話しながら歩いているうちに、会社についた。
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