インタビューはくちづけの後で
「仕事を始めたらオヤジにこき使われそうだから、
そうそう芽衣と海外には行けないかもしれないしな。」と独り言が大きくないですか？

私はいつの間にか副社長のオンナの1人って事になってますか？！


「い、いえっ、海外には行きません。」

「パスポート切れてるのか？」

「そうじゃなくって！なぜ、私を乗馬や旅行に連れて行こうとするんですか？！」

「そんなの…芽衣と一緒に居たいからじゃないか。」と憮然とした顔をする。


私は食事していた手が止まり、
フォークに刺したお魚の柔らかい身が口の前でポロリと床に落ちていった。

「芽衣、落とした魚は食べるなよ。」

「…たっ、食べませんよ。」


しばらく沈黙での食事が続いたけど


「…私はこれから副社長の愛人か何かになるんですか…」と掠れた声が出た。

「独身の俺に愛人はおかしいだろ。先ずは妻じゃないのか？」と私の顔を覗き込む。


妻？

私はガタンと立ち上がり、


「…私は会ったばかりの男の妻にはなりません！！」

「だから、密着取材中だろ。芽衣、さっさと俺を好きになれよ」

と落ち着いた瞳を見せて私をもう一度席に座らせた。





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