インタビューはくちづけの後で
「俺が帰国するたび毎週土曜日…芽衣がボランティアに来る日に児童館に行っているのがオヤジに知れて、
芽衣を見ていたことがバレちまった。
『レインボートイ』の跡取りが女子高生のストーカーって…いや、別に見てただけだよ。
相変わらず笑ってるなって思いながら…声もかけてなかったし…
毎週絵本や、おもちゃの寄付に行くついでに芽衣の顔を見てただけなんだけど、
オヤジとしては問題だって思ったんだな。
そんなに好きなら正々堂々、正面から問題にならないようにってオヤジが考えて、
俺達は『許婚』って事になった。
周囲に知られた時の保険だったけど…
親父と君の両親しか知らないし…
異性との交際も自由。
特に芽衣にも知らされなかった。
いつ、俺の気が変わるかしれないしって…親父も君の両親も思ったみたいだけど…
でも、俺は芽衣が20歳になった時には晴れ着を持って挨拶に行った。
結納の代わりだ。
芽衣と結婚させてほしいって。
俺が社会人になったら、きちんと婚約者になりたいって言って。
君の両親には頭を下げてお願いしておいた。
芽衣が俺を好きになったら。って条件がついたけど
俺は芽衣がずっと好きだったよ。まあ、他に付き合った女もいるけど…
芽衣を『レインボートイ』に就職を勧めたのは君の両親だっただろ。
採用したのはオヤジだ。
俺の許婚に変な虫がつかないように、社内に置いたんだ。
もちろん今では君が俺の許嫁だって部長クラスは知っている。」


…私が知らないうちに許婚にされていたって事?

…結納の代わりの晴れ着。って…
成人式の時に着たかもしれない
お母さんたら、おばあちゃんの着ていたものって言ってたな。

ホテルで着付けてもらう時、
この友禅って作家さんの1点ものじゃないかって言われて、そんな事ないっておもったけど…

ものすごく高級な着物と帯だったのかもしれない…
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