インタビューはくちづけの後で
じ、じゃあ、就職できたのって、コネってこと?
「…私は会社に要らない人間?」

「いや、そうじゃないよ。面接の時、芽衣のオモチャに対する思い入れが評価されてる。
だから、広報部なんだろ。総務とか受付じゃなくって。
オヤジは思いがけず、芽衣がオモチャが好きなのを知ってホクホクしてるな。
俺と結婚したら、芽衣もこき使われるかも知れない。」と口の端をあげる。

「今までのことは全部喋った。
明日からは俺を知って、選んでほしい。
今から、ベッドの中でもっと知り合ってもいいよ。」と私を見てニッコリする。

「いっ、今は遠慮させてください。」と言うと、

「今日のところは、送っていくよ。明日は帰してあげられるかわからないけど…」

と不穏な言動になった後半はスルーしておく。
だって、今日知り合ったばかりだし…


いつの間にか戻っていた黒塗りの車に私を再び乗せる。


私の家に着くと、
「俺は芽衣と結婚したいと思ってる」と私の顔を真面目にみた。

「…副社長、本気なんですか?」と聞くと、

「あたりまえだ。俺は冗談でそんな事は言わない。それに、仕事が終わったら瑞希と呼べ」
と私のほほをそった撫でた。



私はとても驚いていたけど、副社長の説明で私の今の状況がなんとなく理解できたし、

とりあえず、副社長は私を妻にしたいと思っているってことがわかった。


私はこれから、キチンと考えて答えを出せばいいってこと?

好きになったら、結婚かもしれないけど…

好きにならなかったら?


どうするの?











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