インタビューはくちづけの後で
玄関を真っ直ぐ進むと、
広いリビングだ。
ソファーセットに大きなテレビ。
6人がけのダイニングテーブルセットや、飾り棚などがゆったり置かれていても広いと感じる。
正面は天井までの大きな窓。横の窓の外には広いバルコニーも付いている。
目の前には高い建物がなくて、
遠くに見える高い建物の間からみなとみらいの観覧車や、シンボルの建物が見える。
結構、夜景が綺麗だ。


キッチンはカウンタータイプで後ろにはパントリーと広い家事室があるようだ。
今日覗くのはこれで十分。

「副社長、料理ってするんですか?」

「芽衣、今は瑞希と呼べ。家事はしない。実家の家政婦が来ることになってる。」

そうだった。瑞希…さん。でいいかな。
家政婦さんがくるんだね。

「料理も作ってくれるのでは?」

「芽衣の手料理が食いたい。家庭の味。が知りたい」
と私の横に立って私が冷蔵庫を開けて食材をしまうのをジッと見ている。

そういう事ね。

「…1時間くらいご飯が炊けるまで時間がかかります。おつまみとビールで待っていてください。」と

買って来た生ハムとチーズとオリーブを用意していると、

「シャワー浴びていいか?」と聞くので、

まあいいよ。役に立たなさそうだし、ジッと横に立っていられても困る。と

「…どうぞ。」と言うと、嬉しそうに笑っていなくなった。

お米を研ぎ、冷奴用にネギとミョウガを刻み、きゅうりとワカメとシソの酢の物を手早く作って冷蔵庫を入れておき、

ハンバーグに取り掛かる。



母は私が大学生になった時から、土曜日の夕飯は私にひとりで料理を作らせた。
(まあ、遊びに行って作らなかった日もあるけど…)

きっと、許婚がいたので、早めに私を仕込んでおいたのかもしれない。

まあ、実家で暮らしているわりに、普通に料理を作るようになったかな。

たまに失敗もあるけれど…











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