インタビューはくちづけの後で
副社長はスタスタ歩いて、エレベーターに乗って、23階のボタンを押す。
役員室のフロアだ。
私が足を踏み入れるのは初めてだな。と思いながら、
誰も乗っていないエレベーターの中で副社長のうしろに立つと、
「コヤナギってすごく言いにくいな。…まあ、もういいか…」と副社長は階数表示を見上げ呟いている。
…苗字に文句を言われても困りますが…
ポンと音がして、エレベーターの扉が開く。
「芽衣、行くぞ。」と私を振り返り、歩き出す。
…芽衣になってる。
名前呼び?社内で?
「…ハイ」と言って、又、副社長の後ろを歩いた。
副社長は胸ポケットから社員証を出してパネルにかざし、役員室の自動で開く両開きのドアを開け、少し後ろを歩いていた私の手を握ってグイッと引っ張る。
「自動ドアに挟まれるぞ。」とドアを通り抜け、そのままスタスタ歩いてるけど…自動ドアってそんなに早く閉まるわけじゃないでしょ
…なぜ、まだ手を握っている?
「ふ、副社長、手を…」と言うと、
「そうだったな。」と手を離し、
「用意された副社長室に入れる荷物を整理をするんだが、そんな小さな手じゃ、荷物はたくさん運べなさそうだな。」と私の上から下まで視線を走らせる。
身長155センチで細身。小動物系と言われる二重の瞳と茶色い髪のショートカットが特徴の私はそう大きな方ではないけれど…
「ちっ、力はあります!」と力んで言うと、
「じゃ、しっかり持ってろ。」と私の手に副社長は又、手を重ねた。
へ?
なんの冗談?
役員室のフロアだ。
私が足を踏み入れるのは初めてだな。と思いながら、
誰も乗っていないエレベーターの中で副社長のうしろに立つと、
「コヤナギってすごく言いにくいな。…まあ、もういいか…」と副社長は階数表示を見上げ呟いている。
…苗字に文句を言われても困りますが…
ポンと音がして、エレベーターの扉が開く。
「芽衣、行くぞ。」と私を振り返り、歩き出す。
…芽衣になってる。
名前呼び?社内で?
「…ハイ」と言って、又、副社長の後ろを歩いた。
副社長は胸ポケットから社員証を出してパネルにかざし、役員室の自動で開く両開きのドアを開け、少し後ろを歩いていた私の手を握ってグイッと引っ張る。
「自動ドアに挟まれるぞ。」とドアを通り抜け、そのままスタスタ歩いてるけど…自動ドアってそんなに早く閉まるわけじゃないでしょ
…なぜ、まだ手を握っている?
「ふ、副社長、手を…」と言うと、
「そうだったな。」と手を離し、
「用意された副社長室に入れる荷物を整理をするんだが、そんな小さな手じゃ、荷物はたくさん運べなさそうだな。」と私の上から下まで視線を走らせる。
身長155センチで細身。小動物系と言われる二重の瞳と茶色い髪のショートカットが特徴の私はそう大きな方ではないけれど…
「ちっ、力はあります!」と力んで言うと、
「じゃ、しっかり持ってろ。」と私の手に副社長は又、手を重ねた。
へ?
なんの冗談?