インタビューはくちづけの後で
「瑞希帰ったか。芽衣さんもいらっしゃい。
昨日は家に帰らなかったそうだな。母さんががっかりしていたぞ。」

…社長…芽衣さんって呼んだ?

背の高いがっしりした体つきのナイスミドル。こうしてみると、切れ長の瞳は親子でよく似ている。

副社長は私の肩を抱いたまま、私もソファーに座らせる。


ど、どうしてこんなことになってるの?



社長も前のソファーに向かい合って座り親子の会話が始められる。

「昨日、帰りました。昨日は圭介の家に泊まったんです。母さんには言っておいたはずだけど…」

「そうか。なんだか若いゲストが何人か来ていたようだが…」

「どうせ、見合いだろ。だから、帰らなかったんだ」

「まあ、仕方ないな。母さんの友人に孫が生まれたと自慢されて焦っているようだしな。」

「俺は親の決めた相手と結婚する気は無い。」

「まあ、その話は今はいい。」

「近いうちに身を固める。」

「そうか。」と嬉しそうな社長の表情に、親子の仲は良さそうだ。と少し思う。


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