あなたは誰にバツを与えたいですか?

 天を仰いだあたしの髪に何かがふれた。

 美由はあきれたような顔で手にした枯葉を見せた。

 あれから、三か月が経過した。誰も浩介や綾香のことには触れなくなった。

 永和も晴美もあたしの目の前に現れることは一度もなかった。

 そもそも浩介と一緒に過ごしたこの一か月というのもただの夢だったのだろうか。

 そう思わなくもないが、どこかでその日が近づいていることを察していた。

「また、明日ね」

 美由と別れて、家に帰ろうとしたとき、辺りの景色がモノクロになった。そして、あたしの目の前に、一人の少女が現れたのだ。あたしが以前見た制服の姿とは違い、黒装束に身を包み、大鎌を手にしていた。その足元には黒猫が寄り添っていた。

 思わず息をのんだ。どこかで彼女がそうだと分かっていたのだ。彼女があのサイトを教えてくれたのだ。サイトの運営主だったからこそ、教えてくれた。そう考えるとふに落ちる。永和はあたしと目が合うと、満足そうな笑みを浮かべた。

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