あなたは誰にバツを与えたいですか?
「次は誰?」

「次は、S高校でいじめに遭っている子」

「あそこか」

 晴美はうんざりとした顔をした。

 彼女の心情を察して、永和も苦笑いを浮かべた。 回収可能対象はクラス全員というなかなかない事案だからだ。そこではかなりひどいいじめが行われていた。

 送られてきたデーターに目を通すと、大げさに肩をすくめた。

「どうやら、今回はたくさん回収できそうよ。彼女が選んだのもクラス全員」

「そっか。手間が省けてよかった。早く行こう」

 せかす晴美の言葉に、永和は満面の笑みで頷いた。

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