十五の行方
うだるような暑さは苦手だ。


じりりと太陽が照りつける中を、蝉がうるさく鳴いている。


こんなひどく暑い日には、もう何年も前の、だけど今でも薄れないあの日々を思い出す。


——彼女がいなくなったのも、こんなふうに蝉が鳴く、ひどく暑い夏の日だった。
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