十五の行方
中学三年生の夏休み。

定期テストでまさかの一桁を取った俺は、補講を受けざるを得なかった。


いや、ちょっと眠かったんだって。いつもはそんなにひどくないんだって。

今回は解答欄がずれたのだ。


……でもまあ、受験生だし。


確かにちょっとそんな凡ミスで一桁はまずいかなって思って、大人しく補講を受けに来た。


噂によれば、補講を突きつけられたのは一桁を取った生徒だけらしいから、多分俺だけだろう。


先生と一対一はちょっと嫌だけど、その方が気楽でいいや、なんて思いながら、ガラリ、引き戸を開けたら。


「えっ、なになに君もお仲間!?」


やたらテンションが高い女子がいた。


目を期待にキラキラさせたその女子に、思わず固まる。


……え。嘘。

え。


「うわ、一桁ってヤバくない?」

「君もじゃん!!」


思いっきり引いた声が出てしまって怒られた。


いや、うん、ごめん。
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