溺愛までノンストップ〜社長の包囲網から逃げられません〜

愛の告白に聞こえてドキドキする。


「…まるで、私を好きだと言ってるように聞こえるんだけど」


「そうだ…今日1日で教えたつもりだったがわからなかったのか?」


「わかるわけないじゃない。奴隷になれって言われて…3000万円の返済分を労働で返す約束までしたのに、奴隷扱いされるのはあなたに反抗した時だけ…えっと、もしかして最初から3000万円の返済なんて望んでいなかったってこと?」


「そう言ってるだろう⁈」


「じゃあ、家は売らなくてもいいのよね」


「あぁ、君のお父さんは返済する気は変わらないって言うから、俺たちの子どもの為に貯金していくって事で納得されたよ」


「俺たちのこどもって、つき合ってもいなし、どうしたらそんな話を父が納得したの?」


「嘘も方便だよ…ずっと、お前を見ていた俺が、俺を見る麗美の眼差しに気がついていなかったと思うのか?俺が好きだって素直に認めろ。そうすれば、嘘も本当になる」


初めて会った時から魅かれていた。その男に家族がバラバラにされると知った時のショック。それが怒りに変わった。


だけど、一緒にいて気がついてしまった。


キスされて、ときめいた自分
言い合いしていた時の楽しさ
いろんな表情を見せる男にドキドキしていた。


突然横抱きされて、男の膝の上に乗せられた。


「バカじゃない⁈」


「あぁ、お前に溺れるバカな男だ」


斜め下から、男が優しい笑みを浮かべ囁く。


「本当にバカな男…」


「麗美、好きだと言ってくれ」


「…聖夜が好き」


「言ったな…撤回は無しだぞ」


「うん」


意地悪く口元に笑みを浮かべた聖夜に、嫌な予感がした。


「罰のキスが後2回分残っているんだよな…恋人になった記念に麗美からの愛のこもったキスが欲しい…」


無理矢理させられたキスじゃなく、愛のあるキスをしろと…


聖夜から仕掛けてきた艶めかしいキスを言ってるんだろうか?


どうしようと悩んでいると、聖夜の手がスリットからスカートの中に入り、ガーターベルトのゴム紐を弾きながら艶めいた声で「麗美」と呼んだ。


もう、その声に諍う手段がみつからない。


麗美と呼んだ色っぽい唇に引き寄せられて唇を重ねた途端、男は唇を甘く食みながら私を抱え立ち上がり、廊下を出てすぐの寝室のドアを器用に開けて笑った。


「早く、孫の顔を見せてあげないとな」
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