不埒な専務はおねだーりん

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「どうやら機嫌は直ったみたいね」

執務室からルンルンと節の外れた呑気な鼻歌が聞こえてくる。

朝から一度も途切れることなく聞こえてくるから騒音と言えなくもないけれど、相手が相手だけに文句は言わない。

篤典さんってば本当に隠す気があるの?

「何かあったの?」

機嫌が直ったことを隠そうともしないその様子を、浜井さんは好奇心を持って私に問いかける。

「何も……ありませんよ」

パソコンに専務のスケジュールを打ち込みながら、本心を隠して空とぼける。

前日に“何でもない関係”と言い張っておきながら、次の日にはがらりと変わっているなんて恥ずかしくて言えやしない。

っていうか、こんなこと誰にも言えないよ!!

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