不埒な専務はおねだーりん
(う~ん……ここは削った方がいいかな……?)
会議が終了すると早速議事録の作成に取り掛かる。議事録の作成も秘書の仕事のひとつである。
簡単なようにも思えるけれど、会議の要点を誰にでもわかるように伝えるのは書くのはこれがなかなか難しい。
手元の資料とメモを確認しながらパソコンを睨んでひとり悪戦苦闘していると、浜井さんが声を掛けてくれた。
「どう?順調?」
「今のところは……大丈夫です」
「わからない箇所があったら遠慮なく聞いてちょうだいね」
「ありがとうございます」
最近の篤典さんは見張りがなくともちゃんとお仕事を進めてくれるようになったので、私も浜井さん指導の元、少しずつ一部の業務を任されるようになったのだ。
出来ることが増えれば増えるほど、篤典さんの手伝いができるようで嬉しい。
まったく、恋のチカラとは現金で偉大なものである。