イジワルで優しい彼と再会したら
恋の思い出
中学の頃、好きで好きで仕方がなかった先輩。
中学校に入学後すぐ、校内で見かけて、なんとなく気になるようになった。
1年の夏、偶然、真琴は風紀委員に選ばれた。
全学年の風紀委員の集会で、向かいの席に座る先輩を見つけたときは、
心臓が止まるかと思った。
長いまつげ、色白で透き通るような肌、度の強そうなメガネ。
時々、指先でリズムを取るような動きをするところ。
委員会のたびに、向かい側に座る先輩に目を奪われていた。
自分の教室まで戻ってから、委員会をした部屋に、忘れ物をしたことに気がついたことがあった。
急いで戻り、扉の前まで来ると、ガラス越しに、片付けられた机の上に誰かが座っているのが見えた。
膝の上で何かの本を開いているようだったが、
視線は窓の外だ。
真琴には、気がついていない。
(あの先輩だ...)
不意に、窓から視線を外した先輩の目から、涙がこぼれたように見えた。
少しの間、うつむいていたが、こぼれてしまった涙を拭き取ろうとしたのか、メガネを外し、先輩が顔を上げた時、
真琴は思わず逃げ出した。
泣いている姿があまりにもきれいで。
ありえないくらい、体が熱くなっていた。
中学校に入学後すぐ、校内で見かけて、なんとなく気になるようになった。
1年の夏、偶然、真琴は風紀委員に選ばれた。
全学年の風紀委員の集会で、向かいの席に座る先輩を見つけたときは、
心臓が止まるかと思った。
長いまつげ、色白で透き通るような肌、度の強そうなメガネ。
時々、指先でリズムを取るような動きをするところ。
委員会のたびに、向かい側に座る先輩に目を奪われていた。
自分の教室まで戻ってから、委員会をした部屋に、忘れ物をしたことに気がついたことがあった。
急いで戻り、扉の前まで来ると、ガラス越しに、片付けられた机の上に誰かが座っているのが見えた。
膝の上で何かの本を開いているようだったが、
視線は窓の外だ。
真琴には、気がついていない。
(あの先輩だ...)
不意に、窓から視線を外した先輩の目から、涙がこぼれたように見えた。
少しの間、うつむいていたが、こぼれてしまった涙を拭き取ろうとしたのか、メガネを外し、先輩が顔を上げた時、
真琴は思わず逃げ出した。
泣いている姿があまりにもきれいで。
ありえないくらい、体が熱くなっていた。