最後の恋のお相手は
第二章 恋のご指名
①
社員食堂を閉めた後、緊張しながらエレベーターに乗り込んだ。最上階にある社長室。目の前まで来ると、緊張のあまりドアがノックできない。
「どないしたん?」
後ろから声をかけられて、ビクッとして振り返った。
「日向さん……」
小さな声で名前を呼ぶと、白い歯を見せてニヤリと笑った。
「もしかして、社長に呼び出された……とか?」
「そうなんです! 社長から、社員食堂の利用状況を聞きたいって言われたんです!」
「へぇー、それで?」
日向さんは、緊張する私の話を余裕の笑みで聞いてくれた。見た目はアレだけれど、もしかしたら高い役職の方なのかな?
「私みたいなバイトの人間が、社長と直接お話ししてもいいのかな……って」
緊張する気持ちを打ち明けただけで、少しだけ緊張感がほぐれた。
「それやったら、オレが一緒に社長室に入ったるわ」
日向さんが勢いよくドアをノックすると、中から女性が現れた。
「あっ!」
思わず、声をあげてしまった。中から出てきたのは、日向さんの彼女と思われる女性だった。
なるほど、日向さんが社長室のドアを躊躇せずにノックできたのは、彼女が社長秘書だから……か。
高い役職の人、というわけではないんやね。そう思うと、なんだかホッとした。
「どないしたん?」
後ろから声をかけられて、ビクッとして振り返った。
「日向さん……」
小さな声で名前を呼ぶと、白い歯を見せてニヤリと笑った。
「もしかして、社長に呼び出された……とか?」
「そうなんです! 社長から、社員食堂の利用状況を聞きたいって言われたんです!」
「へぇー、それで?」
日向さんは、緊張する私の話を余裕の笑みで聞いてくれた。見た目はアレだけれど、もしかしたら高い役職の方なのかな?
「私みたいなバイトの人間が、社長と直接お話ししてもいいのかな……って」
緊張する気持ちを打ち明けただけで、少しだけ緊張感がほぐれた。
「それやったら、オレが一緒に社長室に入ったるわ」
日向さんが勢いよくドアをノックすると、中から女性が現れた。
「あっ!」
思わず、声をあげてしまった。中から出てきたのは、日向さんの彼女と思われる女性だった。
なるほど、日向さんが社長室のドアを躊躇せずにノックできたのは、彼女が社長秘書だから……か。
高い役職の人、というわけではないんやね。そう思うと、なんだかホッとした。