最後の恋のお相手は
第三章 短い恋
①
一週間後の夜、仕事を終えた私は、地元の駅前のロータリーで、雄洋さんが来るのを待っていた。
雄洋さんに会える喜びは、ないに等しかった。今夜、別れ話をされるのが、目に見えていたから。
雄洋さんの目立つスポーツカーが、ロータリーに停まると、駆け寄った。すると不思議なことに、さっきまでなかった会える喜びが、ふつふつと沸いてきて、私の胸を騒がせた。
「こんばんは」
ふたりで会える最後の夜は、笑顔でいたいと思い、明るく挨拶をした。
「お待たせ。さぁ、乗って」
雄洋さんもまた、それに答えるようにして、白い歯を見せて笑った。
「今日は、どこに行くんですか?」
別れ話をするのは、わかっているけれど。あえて聞いてみた。
「着いてからの、お楽しみや」
能天気を装った私の質問に、合わせるかのような答えを返してくれた。その気遣いが雄洋さんらしくて、私の胸を締めつけた。
やっぱり私、雄洋さんが好き。
今夜、別れ話をされても、その気持ちは伝えたいと思った。
雄洋さんに会える喜びは、ないに等しかった。今夜、別れ話をされるのが、目に見えていたから。
雄洋さんの目立つスポーツカーが、ロータリーに停まると、駆け寄った。すると不思議なことに、さっきまでなかった会える喜びが、ふつふつと沸いてきて、私の胸を騒がせた。
「こんばんは」
ふたりで会える最後の夜は、笑顔でいたいと思い、明るく挨拶をした。
「お待たせ。さぁ、乗って」
雄洋さんもまた、それに答えるようにして、白い歯を見せて笑った。
「今日は、どこに行くんですか?」
別れ話をするのは、わかっているけれど。あえて聞いてみた。
「着いてからの、お楽しみや」
能天気を装った私の質問に、合わせるかのような答えを返してくれた。その気遣いが雄洋さんらしくて、私の胸を締めつけた。
やっぱり私、雄洋さんが好き。
今夜、別れ話をされても、その気持ちは伝えたいと思った。