最後の恋のお相手は
④
切なくもあり、日向社長に会える日がうれしくもあるという、複雑な心境を抱えた日々が三ヶ月ほど続いた。
短い秋が終わり、鍋物が恋しくなる十一月に入った。
「ランチ、頼む。ごはん、大盛りで」
ランチタイムのピークが終わりに近づく十三時過ぎ、日向社長がぶっきらぼうに注文をした。
「はい、ありがとうございます」
急いでいるのか、はたまたご機嫌ナナメなのか。日向社長にしては、珍しい口調だ。
なんだか利用している社員まで巻き込む、ピリピリムード。この時間帯の利用者は少ないけれど、それでも日向社長の不機嫌さを皆が感じ取っているのだから、相当のもんだ。
「ランチ、お待たせしました!」
それをあえて一蹴するかのように、明るく、元気に言った。
「あ、ありがとう」
それなのに、日向社長は……。笑顔も見せないまま、ボソリと言った。
なんだか、おかしいな。そう思いながら、その背中を見送った。
短い秋が終わり、鍋物が恋しくなる十一月に入った。
「ランチ、頼む。ごはん、大盛りで」
ランチタイムのピークが終わりに近づく十三時過ぎ、日向社長がぶっきらぼうに注文をした。
「はい、ありがとうございます」
急いでいるのか、はたまたご機嫌ナナメなのか。日向社長にしては、珍しい口調だ。
なんだか利用している社員まで巻き込む、ピリピリムード。この時間帯の利用者は少ないけれど、それでも日向社長の不機嫌さを皆が感じ取っているのだから、相当のもんだ。
「ランチ、お待たせしました!」
それをあえて一蹴するかのように、明るく、元気に言った。
「あ、ありがとう」
それなのに、日向社長は……。笑顔も見せないまま、ボソリと言った。
なんだか、おかしいな。そう思いながら、その背中を見送った。