最後の恋のお相手は
ランチタイムも終わりに近づいてきた。日向社長の姿は、いつの間にかなかった。いつもなら、食器を返却するときに、必要以上に大きな声を出して、「ごちそうさま」を言ってくれるのに。
食堂内には人の姿がなく、もう客も来ないだろうと思い、出入口の札を裏返し、『close』にした。
「こんにちは」
無事にランチタイムを終えて、うーん、と伸びをした瞬間に声をかけられ、慌てて声のする方に振り返った。声をかけてきたのは、社長秘書の田野さんだった。
「こんにちは。申し訳ありません……ランチタイムは終わってしまいました」
遅いお昼ごはんだな、と思いながら、頭を下げた。
「いいえ。今日は、北方さんにお話ししたいことがあって……五分ほどお時間、いただけないですか?」
社長秘書の田野さんが、私に何を話したいのか……。きっと日向社長に関わることだ、と、勝手に推測した。
「はい」
もしかしたら、日向社長が社長の役職を退く……とか? 不吉なことばかりが頭に浮かび、胸の鼓動が加速していった。
でも、それを私に話されたって、どうすることもできないけれど。
食堂内には人の姿がなく、もう客も来ないだろうと思い、出入口の札を裏返し、『close』にした。
「こんにちは」
無事にランチタイムを終えて、うーん、と伸びをした瞬間に声をかけられ、慌てて声のする方に振り返った。声をかけてきたのは、社長秘書の田野さんだった。
「こんにちは。申し訳ありません……ランチタイムは終わってしまいました」
遅いお昼ごはんだな、と思いながら、頭を下げた。
「いいえ。今日は、北方さんにお話ししたいことがあって……五分ほどお時間、いただけないですか?」
社長秘書の田野さんが、私に何を話したいのか……。きっと日向社長に関わることだ、と、勝手に推測した。
「はい」
もしかしたら、日向社長が社長の役職を退く……とか? 不吉なことばかりが頭に浮かび、胸の鼓動が加速していった。
でも、それを私に話されたって、どうすることもできないけれど。