最後の恋のお相手は
国富さんが一服している間、田野さんを社員食堂の中に招き入れた。誰もいない、静かな社員食堂のテーブルに向き合うと、さらに緊張感が増していった。
「あの……お話しって」
「日向社長のことです」
ああ、やっぱり。でも、何の話か、まったく見当がつかない。
「私は社長秘書として、ずっと日向社長の隣にいますから、なんとなく察していました」
「え?」
察するって、何を? もしかして私と日向社長がお金で繋がっていて、肉体関係を持ってしまったことを……?
でも、関係は解消したし、どちらかが話さない限り、知り得ない情報だと思うけれど。
「私の察していたことが、まったくの誤解なら、ごめんなさい」
田野さんはそう言うと、一枚の名刺を差し出した。それは、とある高級ホテルの名刺であった。
ふたりで鉄板焼きを食べた高級ホテルとは違う、別のホテルの名刺。名刺を受け取っても、日向社長と結びつかず、首をかしげた。
「あの……お話しって」
「日向社長のことです」
ああ、やっぱり。でも、何の話か、まったく見当がつかない。
「私は社長秘書として、ずっと日向社長の隣にいますから、なんとなく察していました」
「え?」
察するって、何を? もしかして私と日向社長がお金で繋がっていて、肉体関係を持ってしまったことを……?
でも、関係は解消したし、どちらかが話さない限り、知り得ない情報だと思うけれど。
「私の察していたことが、まったくの誤解なら、ごめんなさい」
田野さんはそう言うと、一枚の名刺を差し出した。それは、とある高級ホテルの名刺であった。
ふたりで鉄板焼きを食べた高級ホテルとは違う、別のホテルの名刺。名刺を受け取っても、日向社長と結びつかず、首をかしげた。