最後の恋のお相手は
「私……ずっと気になっていたんです。社員証もない、茶髪の男性が」
「……それって、オレか?」
「はい」
小さくいただきますを言って、コーヒーを口にした。甘い甘い、コーヒーを。
「でも、私……。今までロクな男性に出会ったことがなくて。次に好きになった人と、最後の恋をしたくて」
日向社長が真顔でうなずいてみせた。その表情をチラリと見てから、話を続けた。
「最後の恋にしたい男性が、まさか社長やなんて。簡単に気持ちを伝えたら、玉の輿を狙う、いやらしい女やと思われそうでこわかった」
「そんなこと、思わへん。だから、気持ちを聞かせて?」
日向社長に視線を向けると、真顔を崩して微笑んでいた。
「日向社長が好きです」
「あかん」
「え?」
なんであかんの? 目を丸くしてみつめると、日向社長が照れ臭そうに頭をかいた。
「日向社長って、呼ばんといて?」
ああ! そうですね……。私もつい照れ笑いを浮かべた。
「雄洋さんが好きです」
やっと気持ちを伝えることができた。
「ありがとう。オレも郁美が好きや」
息がかかるくらい近くに雄洋さんが距離をつめると、ドキドキする間もなく、唇を重ねていた。
「……それって、オレか?」
「はい」
小さくいただきますを言って、コーヒーを口にした。甘い甘い、コーヒーを。
「でも、私……。今までロクな男性に出会ったことがなくて。次に好きになった人と、最後の恋をしたくて」
日向社長が真顔でうなずいてみせた。その表情をチラリと見てから、話を続けた。
「最後の恋にしたい男性が、まさか社長やなんて。簡単に気持ちを伝えたら、玉の輿を狙う、いやらしい女やと思われそうでこわかった」
「そんなこと、思わへん。だから、気持ちを聞かせて?」
日向社長に視線を向けると、真顔を崩して微笑んでいた。
「日向社長が好きです」
「あかん」
「え?」
なんであかんの? 目を丸くしてみつめると、日向社長が照れ臭そうに頭をかいた。
「日向社長って、呼ばんといて?」
ああ! そうですね……。私もつい照れ笑いを浮かべた。
「雄洋さんが好きです」
やっと気持ちを伝えることができた。
「ありがとう。オレも郁美が好きや」
息がかかるくらい近くに雄洋さんが距離をつめると、ドキドキする間もなく、唇を重ねていた。