わたし、結婚するんですか?
しっかり朝食の片付けまでしてくれた遥久は一度、家に帰ると言った。
「着替えに帰るから、もう出るが。
お前も遅れないように来いよ」
と玄関で靴を履きながら言ってくる。
そんな遥久の姿を見ながら、やっぱり信じられないな、と洸は思っていた。
こんな人が私を好きだなんて、と。
だけど、昨日、自分を見つめていた遥久の顔を思い出すと、そうなのかな、という気もしてくる。
今も遥久は自分を見つめ、言ってきた。
「……洸。
今度、下着、買ってやるよ」
「いいのもありますよーっ!」
……そこは無粋だったか、と思いながら、キスのひとつもなく出て行く遥久を見送った。