わたし、結婚するんですか?
「洸。
 俺はお前を騙したりしない。

 俺が浮気したら、お前、俺を殺していいぞ」

 課長……。

「その代わり、俺もお前を殺す。

 俺が死んだあと、お前が他の男とくっついたら、嫌だからな」

 課長、意味がわかりません……。

 ほんっとーに愛情表現の危険な人だ。

 相手に上手く受け入れられるように言うのが苦手なのかもしれないが。

 この人の場合、不器用を通り越している。

 感情表現がオーバー過ぎて引いてしまうし、嘘くさく感じてしまうのだ。

 そんなことを考えている間にも、遥久は、また、わからないことを言っていた。

「この先、俺にはお前しかない。

 お前以外の女は、もう好きになれないからだ。

 俺が寂しい老後を送ったらお前のせいだからな、洸」

 いや、なに脅してんですか……と思っていると、
「社長が言ってたよ。
 お前にちょっとだけ、告白したことがあるんだと」
と突然、言い出した。

「えっ?」
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