わたし、結婚するんですか?
 洸とチャトランを抱えて寝室に行きながら、遥久は言った。

「そうだ、お前。
 俺になにか策略があるんじゃないかと思ったと言ってたな」

「い、言いましたけど、なにか……?」
と身構え訊くと、

「策略ならあるぞ」
と遥久は言ってくる。

 えっ? と言った瞬間、ベッドに投げ捨てられていた。

 チャトランは薄情なことに、ひらりと飛んで逃げている。

 遥久は自分もベッドに上がると、洸が逃げられないように、その身体の両横に手をつき、言ってきた。

「ずっと、たくらんでたんだ。
 お前と居ると、一生楽しく生きられそうだと」

 そんな遥久を見て、洸も笑って言う。

「じゃあ、私も陰謀をくわだてます。
 一生、幸せでいられるように、貴方と結婚したいです」

 ベッドに両手をついたまま、そっと遥久が唇だけで触れてきた。

 そのとき、ものすごい勢いで、チャトランがやってきて、遥久の背に飛び乗った。

 振り向いた遥久が言う。

「……うん。
 お前も来るか」
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