わたし、結婚するんですか?
 





 翌日、職場で洸を見た。

 相変わらず、なにかやらかして、部長に褒められつつ、叱られている。

 なにかすごいことをやったあとに、なにかやらかしたのだろう。

 こいつの対応には部長も困っているようだ、と思いながら、物陰から窺う。

 しゅんとしている洸を見て、洸が悪いとわかっていて、会社のあちこちにある鈍器で人事の部長を撲殺しそうになる。

 どういうことだ。

 まさか、あの津田洸が気になるとか?

 いやいやいや、冗談だろう。

 俺はあんな話すと気が抜けるような女は好みじゃない。

 ……はずだ。

 部長が最後になにか言い、洸はちょっとだけ笑ってみせた。

 ああ、可愛いっ!

 いや、気のせいだっ。

 落ち着け、俺っ!

 あんな可愛いだけの部下っ。

 しかも、俺の部下じゃないしっ。






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