恋の神様におまかせ♪*番外編
―――ガバッ!
「!」
急に隼人は私の体を強く抱き締めた。
突然のことで驚いて固まっている私に、隼人は叫ぶように言った。
「ひ、一人で行かせねぇからな!由紀!」
「……!」
何言ってんのよ、ビビりの癖に。
今だって怖くてたまらないくせに。
ガタガタ震えちゃって、ほんと情けない。
……でも、
「……ぶふっ」
「……え?」
腕のなかで噴き出した私に、腕の力を緩めて私の顔を覗きこむ隼人。
状況を理解できないと言うように目をぱちくりさせている。
その表情に、我慢できなくてお腹を抱えて大爆笑してしまった。
こんな簡単に騙されてくれると思わなかった。
ひとしきり笑い転げた後、呆然としている隼人に、一言呟いた。
「……ありがとね、隼人」
「え……?何が?」
―――一人で行かせねぇからな!
そう言ってくれたの、嬉しかったよ。
ビビりでも、やっぱり隼人が大好き。
【ビビりでも*おわり】