超短編 『ヒーロー』 1
目が覚めたら、病室のベッドに横たわっていた。


やはり、体の自由がきかない。

手や足を動かそうにも、ぴくりとも動かない。


ヒーローになる手術はかなり過酷なようだ。


目は動くので、周りを見回してみた。

するとベッドの脇に、白衣を着た男と年配の女性が立って話をしている。



「いつになったら、動けるようになるのでしょうか」

「そうですね、手術はうまくいきましたが、あとは本人次第でしょうね」


「それにしても、現代の医学は凄いですね」

「そうですね。科学的な手術も並行して行われますからね」



科学的手術、、、つまりは改造手術ということか。

俺は、決めた。


これからは、どんな姿であろうとヒーローとして生きる。



それから、数か月。


俺はようやく自分の新しい姿にも慣れた。

最初は違和感があったが、もう平気だ。




そして、体調も完璧になったとき、指令が出た。


過去の地球に戻り、人類のために働く。

それが俺の最初の仕事だ。




そして、過去の地球で新しいボスができた。

ボスが呼んでいる。




「おーい、ドラえもん」

「なーに、のびたクン」


ネコ型ロボットとして、俺は生まれ変わった。
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