俺様社長の重大な秘密
2.溺愛されると事件が起きる
…それからと言うもの、楓は仕事中、片時も幸を手放さず、西園さえも、寄せ付けようとしないことから、幸は頭を抱えた。
「…仕事が覚えられない」
「…何か言ったか?」
終業前、西園に頼まれた書類作成をしながら、幸はボヤいた。
それに反応したのはもちろん楓。
幸のデスクを、社長室にいれてしまったのだから、聞きたいこともなかなか西園に聞けない。
席を離れようとすれば、一々楓に聞かれ、説明するのも面倒になって、どうしても聞きたいことは、ドア一つ分にもかかわらず、西園に社内メールをせざる終えなかった。
「…社長」
「…なんだ?」
手に持っていた書類をデスクに置いた楓は、幸に視線を向けた。
「…私を秘書室に戻してはいただけませんか?」
「…却下」
即答され、幸はため息をついた。
「…仕事に支障が出るんですが」
「…全く問題ないだろ?」
「…わからないことばかりなのに、秘書である西園さんに聞くに聞けないんです。ですから、秘書室に戻して下さい」
「…却下」
また即答され、幸は思わずイスから立ち上がった。
「…社長!私を置物か何かと勘違いされてませんか?」
「…」
「…私は物覚えが良くないです。先輩である西園さんに教えていただいても中々覚えられないです。でも、やるからには一生懸命やりたいんです。ですから秘書室に戻して下さい」
「…丸岡」
「…はい」
「…そんなに俺と一緒にいるのは嫌か?」
「…え、いや、そう言うわけでは…私はただ、仕事が」
「…仕事が覚えられない」
「…何か言ったか?」
終業前、西園に頼まれた書類作成をしながら、幸はボヤいた。
それに反応したのはもちろん楓。
幸のデスクを、社長室にいれてしまったのだから、聞きたいこともなかなか西園に聞けない。
席を離れようとすれば、一々楓に聞かれ、説明するのも面倒になって、どうしても聞きたいことは、ドア一つ分にもかかわらず、西園に社内メールをせざる終えなかった。
「…社長」
「…なんだ?」
手に持っていた書類をデスクに置いた楓は、幸に視線を向けた。
「…私を秘書室に戻してはいただけませんか?」
「…却下」
即答され、幸はため息をついた。
「…仕事に支障が出るんですが」
「…全く問題ないだろ?」
「…わからないことばかりなのに、秘書である西園さんに聞くに聞けないんです。ですから、秘書室に戻して下さい」
「…却下」
また即答され、幸は思わずイスから立ち上がった。
「…社長!私を置物か何かと勘違いされてませんか?」
「…」
「…私は物覚えが良くないです。先輩である西園さんに教えていただいても中々覚えられないです。でも、やるからには一生懸命やりたいんです。ですから秘書室に戻して下さい」
「…丸岡」
「…はい」
「…そんなに俺と一緒にいるのは嫌か?」
「…え、いや、そう言うわけでは…私はただ、仕事が」