俺様社長の重大な秘密
あれよ、あれよと言う間に、裏に停められた社長専用車迄連れてこられた幸。

「…さぁ乗って」
「…ハイわかりました、って言うわけないでしょ?!」
「…え?ワッ?!」

怪力がこんなところで役立つとは。

幸は楓を車に押し込むと、その場を必死に走り去った。

「…もう、どうして、こんなことに」

息を切らせながら、走った幸は、そんなことを呟いた。

…結局、この日は無事に?

自宅アパートに帰れた幸。

もう、こんなことは2度とないだろうとその日は早々に就寝した。

…。


「…えーっと、先輩お早うございます。一体何をされてるんですか?」

次の日の朝、オフィスに入った幸が、困ったような声で先輩に問いかけた。

何故なら、幸のデスクの上のものを、段ボールに詰めてるではないか。

「…おはよう、もちろん片付けしてるに決まってるでしょ?」
「…何故です?仕事が出来ません」

「…そうねぇ。確かにこれでは仕事できないわよね?はい、これもって、最上階に行ってね」

「…?、??」

手渡された段ボールを抱えて、幸は首をかしげる。

なぜ、最上階?あそこには社長室しかないわけで…

ま、さか。

「…社長秘書に話は聞いて?昇進おめでとう」
「…え、あ、先輩!」

「…社長待たせると怖いわよ」
「…先輩!」

手でシッシッと振り払われ、幸は渋々最上階に向かって、社長室の隣にある秘書室に入った。
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